『全知的な読者の視点から』第73話「王のいない世界(4)」では、キム・ドクシャが元同僚のユン代理と対峙し、囚われたハン・スヨンを救出する。星座からコインを稼ぐために人間を利用する集団との戦いを経て、ドクシャは「王のいない世界」の実態を目にする。
囚われたハン・スヨンとユン代理の誘い
ドクシャに旗を奪われ、意識を失ったハン・スヨンは檻に閉じ込められていた。周囲の男たちは彼女を襲おうとしており、一部の星座もその光景を期待していた。
ドクシャは、物語について多くを知るハン・スヨンを生かしておく危険性を考える。しかし、将来の損得で人の生死を判断しかけた自分に嫌悪を覚える。
ユン代理はドクシャの仲間を紹介するよう求め、その見返りとしてハン・スヨンを好きにしてよいと持ちかける。ドクシャは彼女の解放を要求するが、ユン代理は応じない。
劣等感から生まれたコイン農場
ユン代理は、かつて二人が同じ品質保証チームに所属し、他部署から軽視されていた過去を語る。
周囲の檻には、ミノソフトで働いていた人々も囚われていた。ユン代理は、以前は自分たちを見下していた人間を支配できるようになったと喜ぶ。
彼は現在の世界を抜け道だらけのゲームと考え、人々を戦わせたり性的行為を強いたりすることで、シナリオを進めずに一日五千コインを稼いでいた。
ドクシャの反撃と星座からの報酬
ドクシャは、星座を刺激すればもっと効率よくコインを稼げると告げる。そして「信念の刃」を発動し、檻を破壊した。
彼は男たちの脚や腕を斬り、ハン・スヨンへの暴行を阻止する。その制裁に炎の悪魔のような審判者や金の輪の囚人をはじめとする星座が反応し、八千コインが支援された。
約二十人の男たちに囲まれたドクシャは、ハン・スヨンを抱えて後退する。目を覚ました彼女は救出の理由を問い、英雄が女性を救う展開はありきたりだと指摘する。
ドクシャは自分が英雄ではないと返し、彼女を地面に下ろして共闘を求めた。
敵同士の共闘とユン代理の最期
ドクシャが敵の脚を斬り、ハン・スヨンがとどめを刺す。二人の連携によって男たちは次々と倒れ、生き残った者は逃走した。ドクシャは戦闘で一万八千四百コインを獲得する。
その後、ハン・スヨンは地面に座り込んでいたユン代理の首を刺し、命を奪った。
彼女はドクシャが長々と話を聞いていた理由を尋ねる。ドクシャは、先に不快感を積み重ねたほうが最後の制裁で多くのコインを得られると説明する。二人は星座が好む展開について、作家と読者という立場から言い合う。
解放された人々が示す王のいない世界
ドクシャは戦利品から防御力をわずかに高めるB級の近接戦闘服を入手する。さらに、逃げた男たちの拠点や第五シナリオで使える瑞草の隕石を意識する。
檻から解放された元同僚たちが近づくが、ドクシャは今後の保護を断り、拾える道具を集めて忠武路へ向かうよう助言した。
ところが、生存の希望を取り戻した人々は、落ちている道具の所有権をめぐって争い始める。先ほどまで被害者だった者たちが、今度は互いに武器を向けた。
ドクシャは、トッケビが自分に見せようとしていた光景を理解する。王も統制もない世界では、これまで守られてきた法律や倫理が失われ、人間同士の信頼の乏しさが露わになる。
人々が武器を振るおうとしたその時、全員の命を脅かすような突然の声が響き、争いを止めた。