宝箱の前に現れたのは、地ネズミたちが恐れる魔族だった。捕らわれたユ・サンアとハン・ミョンオを救うため、キム・ドクシャは頼りない折れた剣を手にする。剣士ではない彼が対抗する武器は、物語を読み込んできた記憶だった。
宝物庫の前で明らかになる盗難の真相
宝箱を見つけたイ・ギリョンが声を上げかけると、ドクシャは口を塞いで静かに待つよう促した。『滅亡の生存法』の世界では、目の前の報酬にも罠が潜んでいる。やがて地ネズミが集まり、暗黒の根の中心部にある黒いエーテルの炎で周囲を照らし始めた。
その先には、地面から伸びた枝に捕らわれたサンアとミョンオがいた。ミョンオは、自分たちが地下鉄に乗ることになったのはサンアのせいだと言い募る。ところが話の流れから、サンアは自分の自転車を盗んだのがミョンオだと気づく。問い詰められた彼は盗難を認めながらも、車で送る申し出を断ったサンアが悪いと開き直った。
ドクシャは二人の口論に棘を投げて割って入り、そのまま暗闇の奥に潜む存在を呼び起こす。副次シナリオ「番人討伐」が始まり、地ネズミたちは地に伏した。触手を持つ第7級魔族「闇の番人」は、魔王の加護を受けた危険な怪物だった。恐怖の力はドクシャの専用スキル「第四の壁」によって大部分が抑えられたが、戦いを避けられる状況ではない。
闇の番人と、壊れた剣
ギリョンは操っていた昆虫を通じて強い負担を受け、残る「多様な意思疎通」の使用回数もわずかだと明かす。ドクシャは彼を休ませ、枝に縛られた二人を解放しようとするが、魔族の力で枝は腐食し、持っていたナイフまで溶けてしまう。
番人がハン・ミョンオに触手を伸ばすと、ユ・サンアは通訳の力でその言葉を読み取る。番人が求めているのは「母親」だった。魔族は別の種族の身体を使って子を宿す――その意味を悟ったドクシャは、ミョンオに入り込んだ触手を地ネズミの槍で引き裂く。しかし槍は番人の反撃で、たちまち壊れかけていく。
本来の計画は、番人と戦わず、立ち去った後に宝箱を手に入れることだった。計画が崩れたドクシャはトッケビのビリュを呼び、交換所から届いていた品を出させる。それは等級こそ低く、刀身が半ばで折れた「砕けた信仰」。一見すると戦いに使えそうにない古びた剣だった。
読者の知識を刃に変えて
ドクシャは魚竜を倒した後に手に入れていた「白純星のエネルギー」を発動する。青いエーテルが折れた刀身に集まると、白く輝く仮想の刃「信念の刃」が伸びた。魔族に対して有効なその刃は、触手を酸化させ、切り落としていく。
剣術の訓練も戦闘感覚も持たないドクシャは、攻撃を外すこともある。それでも彼には、『滅亡の生存法』で読んだ闇の番人の攻撃順や触手の再生時間が記憶に残っていた。相手の動きを先読みし、読者として得た知識を頼りに反撃する。
ギリョンが憧れの目で見つめるなか、番人は傷つきながらもなお立ち上がろうとする。サンアは震える声で、番人が「どうして弱点を知っているのか」と尋ねていると伝えた。ドクシャは「本をたくさん読んでいるんです」と軽く答える。この世界の主人公ではなくても、誰より物語を知っている――その強みを示したところで、第21話は幕を閉じる。