午後10時55分、キム・ハジンは負傷したチェ・ナユンを連れて江原道のポータル駅に到着した。門限が迫るなか、ナユンはキューブへ戻ろうとするが、まともに立つこともできない。ハジンは病院で治療を受けるよう促し、父親か使用人に連絡するよう勧める。さらに、ナユンが魔人との戦闘で無意識に発現させた才能を思い出し、弓ではなく剣を使うべきだと告げた。
ナユンの才能は近接戦闘、特に戦場での戦いに適していた。魔力を伝える武器があれば、その力を大幅に増幅し、二メートルの剣を二十メートルもの巨大な剣に変えることさえできる。魔力には重量がないため、剣が巨大化しても重さは増えない。将来は「戦場の皇帝」と呼ばれるほどの力だが、今のナユンは近接戦闘への恐怖を克服できていない。彼女が反発すると、ハジンはそれ以上説得せず、ポータルを通って帰還した。
翌日、ナユンが魔人スヴェンに襲われ、重傷を負ったという噂が広まっていた。それでも授業は通常どおり行われ、ハジンは午後五時までに303号室へ来るようキム・スホから念を押される。
授業後、寮へ向かうハジンは誰かに尾行されている気配を察知する。途中、ノートパソコンにはバイオレット・バンケットでの取引代金383,013,160ポイントの入金通知が届いていた。約六億ウォン相当だった売上は高額な手数料によって約四億ウォンまで減り、購入者から追加の山参を求める連絡も来ていたが、売る品がないため応じなかった。
尾行者を確かめると、壁の向こうにいたのはレイチェルだった。彼女はハジンの鞄を気にしながら寮まで追ってきたが、目的は分からないままだった。
仮眠後、303号室に向かうと、スホのほかにシン・ジョンハク、ユ・ヨンハ、キム・ホラク、イ・ヨンハンが集まっていた。議題は相次ぐ訓練生の失踪事件。キューブは学生が犯人である可能性を考え、彼らにも調査を任せていた。遠方を見通せるハジンの視力も期待されており、ハジンは協力を了承する。
スホは、ナユンを襲った魔人と失踪事件の犯人は別だと考えつつ、ナユンが次に狙われる可能性を指摘した。しかしハジンは、スヴェンと真犯人では契約した悪魔が異なることを知っていた。また、原作では二か月で六人だった失踪者が、今回はわずか二週間で三人に達している。犠牲者の増加を危惧したハジンは、証拠がないことを承知で真犯人の名前を明かす。
その名前はユン・ヒョンだった。だが、スホは彼にはアリバイがあると説明し、ジョンハクも精神魔法で訓練生を誘導するのは困難だと嘲笑する。ハジンが考えていたのは、操られた自覚を持たせない「恋」による魅了だったが、説明を終える前に遮られてしまう。
さらにヨンハは、むしろハジンのほうが怪しいと言い出した。ポータルの利用記録によるアリバイは、魔人なら改ざんできるというのだ。ホラクまで暴力で正体を暴こうと迫り、激怒したハジンも銃を抜いて応戦しようとする。スホが剣を抜いて仲裁すると、ハジンは冷静さを取り戻し、ナユンと共に魔人を倒した事実を確認するよう求めた。
部屋を出ようとしたハジンは偶然足を滑らせ、その直後、ホラクの突進が外れて強化壁に亀裂を生じさせた。再び銃を向けるハジンをスホが魔力を込めた剣で制止し、ナユン本人に確認するようヨンハへ命じる。スホの怒りに気圧されたヨンハは、舌打ちしながらスマートウォッチを起動した。