深夜、運動を終えてベッドに倒れ込んだキム・ハジンは、疲れているにもかかわらず眠れずにいた。この世界でどう生き延びるべきか。主人公たちを陰から支えるのか、それとも悪役側に入り込んで内部から敵を排除するのか。考えはまとまらず、ふと自分の能力値を確認する。
筋力は1.735、持久力は1.845、速度は2.15、知覚は2.605、生命力は1.65、魔力は1.3。魔力以外は成人男性の平均値である1.5を超え、特に知覚は常人の域を上回っていた。しかし、まだ実戦の場へ出るには力不足だった。
資金を必要としていたハジンは、近く上場する予定のパックホース・マスターギルドを念頭に、金を稼ぐ方法を考える。実戦に出て稼ぐのが正攻法だが、能力不足を理由に先延ばしにしてきた。そこで、ノートパソコンの能力を使って武器を強化すれば、その弱点を補えるのではないかと思いつく。
ただし、武器の強化にはSPが必要となる。現在の所持SPは、チェ・ナユンとの友情が生まれる可能性を壊したことで得た380。キューブから支給された訓練用銃にすべて投入しても、高性能拳銃デザートイーグルと同程度にしかならないと考えたハジンは、もともとの性能が高い武器を強化する方が効率的だと判断する。
そこで海峡の精髄が運営する武器販売サイト「エッセンシャル・アーモリー」を調べ始めた。移動の邪魔にならない拳銃を探し、目当てのデザートイーグルを発見する。魔法弾の威力を高める装置を備え、反動の大きさから熟練した射手向けとされる銃だ。美しい外観と強力な性能に魅力を感じるものの、基本価格は2000万ウォン。付属品をすべて付ければ4000万ウォンにもなる。金を稼ぐための武器にそれほどの金を払うのは本末転倒にも思えた。
結論が出ないまま眠気に襲われたハジンは、翌日に考えることにして眠りにつく。
翌朝は水曜日。身支度を済ませて寮を出ると、楽しそうに談笑する生徒たちが目に入った。ハジンは自分の気分が沈んでいる理由に気づく。この世界には友人も話し相手もいないのだ。恋人を作ることも一瞬考えたが、人間関係に感情を費やして疲れるのは面倒だと考え、孤独なままでいいと割り切って教室へ向かった。
授業中もハジンの頭から離れないのは、デザートイーグルを買う資金のことだった。自分が設定した魔物の弱点や特性をギルドに売る方法も考える。しかし、情報屋として信用を築くには長い年月が必要であり、金のために世界の均衡を乱すのも得策ではないと却下した。
休憩時間、武器販売サイトを再び開こうとしたハジンのスマートウォッチに、序列7位のユ・ヨンハから連絡が届く。彼女はハジンの正体を問いただしてきた。前日に伝えた山の暴君に関する情報が、すでに確認されたらしい。
ハジンが情報の正しさを尋ねると、ヨンハはそれを認めた。未知の共同作者によって自分の知る設定まで変えられている可能性を恐れていたハジンは、安堵する。情報の入手方法を聞かれても、明かすつもりはなかった。
そしてハジンは、デザートイーグルのことを思い出す。情報をヨンハに渡したのは、そもそもこうした機会に役立てるためだった。武器販売サイトを運営しているのは、まさに彼女の所属する海峡の精髄である。
ハジンは情報が役に立ったのなら頼み事をしたいと持ちかける。するとヨンハは即座に振り返り、ハジンを見つめた。その視線には以前ほどの険しさがない。そんな彼女を見て、ハジンは目の前に大金の詰まった袋があるかのように感じるのだった。