千霊毒と『東医宝鑑』の由来
「亀岩神医」許浚は晩年、医学ではなく毒の研究に没頭していた。誰もが死ぬ毒を作れれば、誰もが助かる薬も作れる――そう考えた許浚は、毒の作用を決めるのは肉体よりも精神だという答えにたどり着く。千の魂を分析して生み出されたのが、イ・ソルファの体から放たれる「千霊毒」だった。
この毒こそ、ソルファが「十悪」の毒殺者として恐れられる理由だった。しかし、キム・ドクジャは不完全な『東医宝鑑』を手にしており、その効力で毒をしのぎ、ソルファを打ち倒す。彼女の攻撃は本人の意思ではなく、体内に寄生するアンティヌスによるものだった。
アンティヌスとの交渉、ソルファの救出
ドクジャはアンティヌスに、ソルファの体を離れて案内人の役目に戻るよう説得する。人々に技術を伝え、歴史を重ねれば、いつか星座になれるかもしれない。だが、故郷の世界を滅ぼされたアンティヌスは人間への憎しみを捨てず、この世界の人々も皆殺しにすると宣言する。
説得を諦めたドクジャは、『東医宝鑑』の力と経穴を突く技を使って、ソルファの体から寄生を強制的に取り除く。激痛を伴う処置の末、黄色い粘液となったアンティヌスが体外へ出て、ソルファは意識を取り戻した。
ドクジャは自分の名を明かさず、「ユ・ジュンヒョクに頼まれて来た」と伝える。ソルファ自身はジュンヒョクを知らなかったが、ドクジャには彼女をジュンヒョクの仲間にする考えがあった。原作どおりに進まない未来に備え、「毒殺者」ではなく「不死の医師」となる彼女は、ドクジャの望む展開に近づく重要な存在だった。
寄生虫の女王、宿主を離れて本体へ
合流したハン・スヨンとユ・サンアがソルファの配下を制圧する一方、ドクジャは感染の危険があるため近づかないよう警告する。体外へ出た粘液は空中でまとまり、トンボのような翼とサソリに似た尾、昆虫の外殻を持つアンティヌス本来の姿へ変わった。
宿主を離れたアンティヌスは第五級の昆虫王種に匹敵する強さを見せる。ドクジャは寄生への免疫で感染を防ぎ、尾の一撃をかろうじて受け止めるが、反撃を受けて地面に倒される。
確率の反動とリュカオンの到着
案内人であるアンティヌスが第五シナリオの終了前に騒乱を起こし、災厄まで孵化させようとしたことは、シナリオの規則への明白な違反だった。彼女には「確率の嵐」の兆しが迫り、時間がたつほど肉体の崩壊が進む。ドクジャに必要なのは、相手が弱るまで生き延びる時間だった。
そのとき、イミュンタルの守護の証が反応する。自分ではアンティヌスにかなわないと告げた直後、銀色の光が空を横切り、三メートルを超える巨体が轟音とともに降り立った。現れたのはイミュンタルの王子、リュカオン。彼は到着が遅れたことをドクジャに詫び、アンティヌスとの戦いに加わる。