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『全知的な読者の視点から』第3話あらすじ|現実となった小説と、迫る最初の殺人

トッケビが消えた車内で、キム・ドクシャが確信したこと

トッケビが姿を消した地下鉄の車内は、混乱に包まれていた。脱出を試みる乗客もいれば、警察へ通報しようとする者もいる。しかし電話はつながらず、不安は募るばかりだった。

動揺するユ・サンアに、キム・ドクシャは「今、自分たちはゲームの中にいる」と説明し、自分の指示に従うよう求める。そして、まずは動かずにいるよう伝えた。ドクシャ自身も、目の前の現実を受け入れる時間を必要としていた。

かつて読み続けた小説『滅亡した世界で生き残る3つの方法』。そこに描かれていたトッケビの姿、血まみれの乗客、死体が散乱する車内の光景が、今まさに目の前で再現されている。理由はわからない。それでもドクシャは、小説の世界が現実になったのだと認めざるを得なかった。

イ・ヒョンソンの登場と、小説との食い違い

トッケビが消えてから約5分後、大柄な男性が乗客の前に立ち、冷静になるよう呼びかけた。彼は軍の第6502部隊に所属する中尉、イ・ヒョンソン。部隊から届いたメッセージには、国家災害レベル1の発生と、全兵力の緊急集合が記されていた。乗客たちは軍人の存在に安堵するが、状況が好転したわけではない。

ドクシャが驚いたのは、彼が小説『滅亡した世界で生き残る3つの方法』の主要な脇役で、「鋼鉄の剣」の異名を持つ人物だったからだ。しかも、ドクシャの記憶では、イ・ヒョンソンの初登場は第一シナリオの終盤だったはず。小説の人物が現実に現れた一方で、登場時期は記憶と食い違っている。ドクシャは自分の知識だけでは説明できない違和感を覚える。

首相の演説を遮る惨劇と、残酷なルール変更

やがて乗客たちは、スマートフォンで首相の演説を見る。政府は一連の事件を正体不明のテロリストによる攻撃と説明し、断固として対処すると表明した。

しかし演説の最中、銃声のような音が響き、首相の頭部が突然破裂する。血に染まった画面にトッケビが現れ、これは単なるテロではないと告げた。さらに難易度を引き上げるとして、空中に巨大なタイマーを出現させる。残り時間は10分。次の5分以内に最初の殺人が起きなければ、その車両の全員が抹殺されるという。

宣告によって車内の秩序は崩れ、イ・ヒョンソンの呼びかけも届かなくなっていく。隣の3907号車では、すでに殺人が発生していた。乗客たちは車両間の扉を押さえて侵入を防ごうとするが、シナリオが終わるまで車両間を移動すること自体ができなくなっていた。

女子高校の惨劇が示す、シナリオ失敗の結末

トッケビは、時間内に誰も殺さなかった場合を見せる。巨大なスクリーンに映ったのは、制服姿の女子高校生たちがいる教室だった。制限時間が尽きると生徒たちの頭が次々と破裂し、扉も窓も開かず、逃げ道はない。追い詰められた一人の女子生徒は友人の首を絞めて殺害し、最後に生き残る。トッケビは彼女を大豊女子高校2年B組の生存者、イ・ジヘと紹介した。

惨劇を見た地下鉄の乗客たちは、互いに目を合わせながら距離を取り始める。隣にいる人間が、助け合う相手ではなく、殺すか殺されるかの相手になり得る。その現実が、車内に広がっていく。

章末の引き|作者から届いた添付ファイル

ドクシャには、もう一つ腑に落ちないことがあった。小説の知識では、すでに現れているはずの「あの男」がまだ姿を見せていないのだ。知っている展開と知らない出来事が入り交じる中、彼は生き残るために原作を読み直そうと考える。しかし、今から本文を探すのは難しい。

そのとき、スマートフォンにメールの添付ファイルを知らせる通知が届く。送り主は、あの小説の作者だった。ファイル名は『『滅亡した世界で生き残る3つの方法』のテキストファイル』。物語が現実となった世界で、原作そのものがドクシャの手元に届く。添付ファイルが何をもたらすのかは明かされないまま、章は幕を閉じる。