本文へ移動
ノベルエンジン

『全知的な読者の視点から』第70話あらすじ|王のいない世界(1)

光化門では、絶対王座をめぐる最後の試練が続いていた。能力や技能に制限がかけられた王たちが脱落していくなか、キム・ドクシャはユ・ジュンヒョクとの一騎打ちに臨む。そして勝利の先で、王座を前に思いがけない選択をする。

制限された戦場での王たち

光化門の中央には絶対王座が浮かび、その周囲では王たちが戦っていた。美の王ミン・ジウォン、弥勒王チャ・サンギョン、覇王ユ・ジュンヒョク、中立王に加え、ドクシャもその場にいる。中立王は王座を争わないと宣言し、戦いから退いた。

最後の試練では、王たちの能力値がそれぞれ十にそろえられ、技能や烙印も封じられていた。ユ・ジュンヒョクとチャ・サンギョンは当初互角に見えたが、やがてユ・ジュンヒョクが押し始める。戦闘の制限下でも、彼の攻撃は次第に速く、強くなっていった。

コインで切り開く活路

ドクシャは、この試練に抜け道があると知っていた。能力値や技能が制限されても、コインの使用までは禁じられていない。ユ・ジュンヒョクはコインを使って能力値を上げていたのだ。中級トッケビは、コインで増やした能力値は試練の終了後に元へ戻ると説明する。

チャ・サンギョンはユ・ジュンヒョクに倒され、美の王ミン・ジウォンも棄権した。残る挑戦者は、ドクシャとユ・ジュンヒョクになる。

八万枚の蓄えと一撃

ユ・ジュンヒョクは、ドクシャの能力や残りのコインを見きわめ、必要最小限の支出で勝とうとしていた。しかしドクシャの所持コインは八万八百五十枚。彼は七万二千枚を筋力に投じ、筋力を十から百まで引き上げる。人間の限界を超え、筋力が初めて三桁に達したことで、さらに三万枚のコインを報酬として得た。

ドクシャは相手を殺さないよう力を調整して拳を放つ。ユ・ジュンヒョクは空中へ飛ばされ、結界に何度もぶつかって地面へ落ちた。意識と呼吸はあるものの、骨折と出血があり、回復技能も使えない。ユ・ジュンヒョクの戦闘不能が告げられ、ドクシャは絶対王座の試練をすべて突破する。コインで上げた能力値は戻り、王たちへの制限も解除された。

絶対王座に座らない

中級トッケビは、ソウルの化身たちへ新たな王座の所有者を告げようとする。だがドクシャは、まだ王座に座っていないとして制止した。黄金の王座が降りてくると、トッケビは座れば人間に対して何でもでき、誰も逆らえない力を得ると説明する。

ドクシャは、その力が蓋然性の制約を越えられるのかと問い、説明には偽りがあると指摘した。苛立ったトッケビは、これ以上話を続ければ王座を壊すと脅す。ドクシャは、壊せるなら壊してみろと返し、人々とトッケビが見守るなか、絶対王座には決して座らないと宣言する。光化門は恐ろしいほどの静寂に包まれた。