キム・ハジンは、自分の弱点である不意打ちに備え、新たな「魔力不全体質」を作ろうとする。体内の魔力を外へ放出できなくする制約があるが、彼はもともと体内魔力を使えず、聖痕の魔力は別物なので損失はないと考えた。制約を大きくする代わりに強い恩恵を安く得る狙いだ。効果「エネルギー変換」は、体内の魔力を消さずにエネルギーとして蓄え、身体能力を最大二倍まで高める。ただし動くたびに消費されるため、長期戦では弱くなる。ハジンの能力値は低く、一か月の成長もわずかだったため、奇襲をしのぐ手段として必要だと判断する。
比較のため「魔力親和体質」を選ぶと、約五千五百ポイントが必要と表示された。魔力不全体質は五百ポイントで作成でき、ハジンは保存を実行する。すると特殊能力値「幸運の蓄積」が発動し、追加体質「災い転じて福となす」が現れた。蓄積エネルギーの一部が、変動しない幸運値に応じて一定確率で恒久的な能力値上昇に変わる効果だ。喜んだハジンは鶏肉を食べていたエバンデルを抱き締める。彼女は食べ物を取られると思い、食べる速度を上げた。
クラス対抗戦の翌週、試験を二週間後に控えたキューブは静まり返る。木曜の放課後、ハジンは次の大きな事件に備える品を取りにソウルへ向かい、子犬に変身したエバンデルも連れていく。転移施設の係員から、歌唱動画から作られた音声が広まっていると知らされる。
魔塔では預けていた「アテネ市民の黒曜石の腕輪」を受け取り、魔力強化の術式が追加されたことを確認する。製作者は一度しか使えないと忠告したが、ハジンは自動充填機能を知っていた。誠実さを評価し、将来ユ・ヨンハの魔塔へ推薦しようと考える。次に訪ねたエスエイチ・エージェンシーでは、パク・スヒョクが従業員十一人、専属ハンター五人を抱えるまでに事業を拡大していた。ハジンも株式で出資している。
駐車場には注文していた傑作品のバイク、アグスタ・ヴィジランテがあった。軽量化と耐衝撃性、魔力加速機能を備えるが、大きくて運びにくい。ハジンは百ポイントで、聖痕の魔力を使うとスーツケースに変形する機能を追加する。重さは二十キロ以上あるものの、持ち運べることに満足した。
一方、ユ・ヨンハは母ジン・ヨジョンと所有地を見回り、将来相続する不動産の管理を学んでいた。屋台の料理に気を取られた彼女は、見覚えのある人物を見つけて声をかけようとする。しかし母に制止され、手首をつかまれて連れていかれる。ヨンハが見つけた人物は明かされないまま、話は終わる。