手に入れた山参の使い道に、キム・ハジンは頭を悩ませる。食べれば能力値を高められ、薬の材料なら高級ポーションを約十本作れる。魔力を装備に加える強化にも使えるが、ハジンには設備も協力してくれる魔術師もいない。売れば約七億ウォンになり、株式投資でさらに増やせる見込みもあった。ひとまず山参をバッグにしまい、ガリ山ダンジョンを探す。
入口は苔と蔦に覆われた断崖の中腹に隠れていた。パルクールと聖痕の魔力を頼りにたどり着いたハジンは、千里眼で洞窟内を確認する。そこはデュラハンやバンシーなどが出るアンデッドのダンジョンで、ボスは高位英雄でなければ倒せないデスナイト。現時点で通常攻略は不可能だった。
一方、通常のダンジョンから隔離された隠しステージなら突破できるかもしれない。その報酬は、形を持たず、使い手の望む姿に変わりながら成長する武器「エーテル」だ。早く入手する価値があり、トマーに先を越される心配もある。ハジンは七本あった山参の根から三本を使うことにした。
設定変更機能で二本の根に、三十分間、変動能力値を二ポイント上げる効果を付与する。一時間で四ポイント上げようとしたが、必要なポイントが足りず断念した。残る一本には魔力を強化する効果を設定する。それぞれ五ポイントを消費し、準備を終えたハジンは洞窟に入った。
内部は冷気に満ちていた。仕掛けを担う幽霊を見つけたハジンはデザートイーグルで撃つ。弾丸は幽霊を通り抜けたが、込められた魔力が急所に命中し、幽霊は光となって消えた。その光は風に引き寄せられ、隠しステージへの道を示す。ハジンは約十分たどり、ダンジョンから隔離された空間へ到着した。
そこには武器を持つ幼い魔女エバンデルがいた。魔女は幽霊を生み出す力、人間の肉体、人間並みの知性を備えるが、彼女は肉体と知性が未発達な不完全な存在だった。原作では魔人たちに育てられ、成長後には水原の廃校を拠点とする恐るべき魔女になる。ハジンはエーテルと「エバンデルの種」の両方を得るため、彼女を倒すと決める。しかし、少女の姿を前に一度はためらった。
覚悟を決めたハジンは聖痕の魔力で光属性の槍を作るが、魔力不足で小さく鋭さも足りない。そこで山参の根を槍に吸収させ、残る二本を食べて身体能力を高めた。強化された力で槍を投げると、エバンデルの頭を貫く。それでも彼女は倒れず、手に怨霊を形作る。恐怖したハジンが話し合いを求めた直後、エバンデルは奇声を上げて倒れ、種を残した。
奥で見つけた青く光る粘液状の武器がエーテルだった。主を一人だけ選び、所有者の変動能力値を0.6上げるほか、武器に付着して攻撃力を強化し、自身も武器の形を取れる。所有者とともに進化する機能もある。目的の品を得たハジンだったが、周囲から骨の鳴る音が響き、骸骨が人型に組み上がっていく。無数の骸骨兵に包囲されたところで第30話は終わる。