ソウルで発生した魔物の集団襲撃事件は、負傷者500人、死者7人という大きな被害を残した。事件を引き起こした魔物の群れは、これまで韓国で確認されていなかった獣を扇動する魔物に率いられており、英雄協会は何者かが外部から持ち込んだ可能性を疑っていた。
一方、病院ではチェ・ナユンが意識を取り戻していた。父のチェ・シンヒョクは娘の無事に安堵するが、ナユンは退院後、兄に会いに行きたいと願い出る。父はそれを快く承諾した。
しかし、ナユンの胸には別の感情が渦巻いていた。国立武器博物館で魔人に襲われた際、苦しむ自分に向かってキム・ハジンが兄のことを口にしたのだ。兄に関する出来事は、四年前から彼女にとって触れられたくない傷となっていた。その事情を知っているはずのハジンの発言を、ナユンは許せなかった。彼女は怒りを父に打ち明けることなく、ハジンの名前を心に刻み込む。
事件後、キム・ハジンとキム・スホはキューブへ戻った。道中、スホはナユンの兄を軽々しく話題にした理由をハジンに問い詰める。しかし、ハジンには何が問題なのか理解できない。スホの反応から、自分の知る設定と現在の世界に食い違いが生じていることを疑い始める。
寮に戻ったハジンは、ナユンの家族について調べた。そこで兄のチェ・ジニュンが、四年前の魔人討伐作戦「ファイアフレーク」で重傷を負い、昏睡状態に陥っている事実を知る。
本来の物語では、ジニュンはこの作戦を成功に導き、仲間三人を救出した功績によって昇進するはずだった。さらに、スホを支える頼もしい協力者になる人物でもあった。その運命が大きく変わっていたことに、ハジンは衝撃を受ける。
原因を確かめようとノートパソコンを開くと、設定変更を知らせるメッセージが届いていた。主人公の協力者が多すぎると判断された結果、ジニュンは初任務で悪魔の刻印を受け、昏睡状態となる設定に変更されていたのだ。しかも現在のジニュンは、体内に悪魔を宿す「悪魔の種」となっていた。
また、魔力弾が敵に会心の一撃を与えたという通知とともに、ハジンのギフトには新たな狙撃スキルが追加されていた。
ハジンは事態の深刻さを理解する。悪魔の種が発芽すれば、今のスホでは対処できず、強力な英雄たちにも犠牲が出る。そうなれば、後の物語で必要となる戦力まで失われかねない。
種の潜伏期間は記憶によれば五、六年で、すでに四年が経過していた。発芽を防ぐためには、ジニュンを早急に殺すしかないとハジンは考える。しかし、財閥の一員である彼の暗殺を引き受ける者はおらず、種の存在を証明することもできない。
追い詰められたハジンは、自分自身の手でジニュンを殺すしかないという結論に至る。
かつて自分が作り上げた世界への親しみは、先の見えない不安へと変わっていた。重い決断を抱えながらも、ハジンは休息を取らず、身体を鍛えるため訓練室へ向かうのだった。