50年前、世界を襲った魔力の大爆発「アウトコール」によって、塔やダンジョン、魔物が出現した。文明は崩壊の危機に陥ったが、超常的な力を持つ英雄たちが現れ、人類は再建への道を歩み始める。やがて魔法と科学を融合させた技術も発展し、塔やダンジョンの攻略が進められるようになった。
キューブの午前の授業では、こうした歴史や魔物に関する知識を学んでいた。自分が書いた小説の設定が膨大な教科書になっていることに、キム・ハジンは改めて驚く。しかし、彼には対象を見ることで情報を得られる能力「観察と読解」があるため、暗記に困ることはなかった。
一方、前の席に座るチェ・ナユンは筆記試験が大の苦手だった。女子訓練生の中でも首位を狙える実力を持ちながら、学科成績が足を引っ張り、レイチェルに首位を譲っている。そんな彼女も、次の授業が対魔物戦闘訓練だとあって、機嫌をよくしていた。
対魔物訓練では、実物に近い姿と破壊力を持つ魔力製の模擬魔物を相手にする。実際の魔物より弱いとはいえ負傷の危険があり、身体能力に乏しいハジンは不安を覚える。
休憩後、訓練生百人が演習場に集合した。教官キム・スヒョクは、中間試験後まで原則固定となるチーム編成を発表する。編成は上位と下位の訓練生を組み合わせる方式で、人工知能によって公平に決定されていた。
銃を主武器に選んだハジンは、射程や威力の面で不利を抱えながらも遠距離攻撃担当に分類される。そして第5班の仲間として発表されたのは、ジン・ホスン、ハズキ、ユ・ヨンハの三人だった。
ヨンハはハジンが創作した人物の中でも、とりわけ評価の分かれる存在だった。彼女が笑顔で近づいてきたため、ハジンは自分に挨拶するのかと思ったが、相手は背後のホスンだった。ハジンが名乗っても、ヨンハはほとんど反応を示さない。銃を選んだ訓練生として認識されているらしいものの、彼女の無表情はかえってハジンを不安にさせた。
今回の課題は、指定された地点へ向かい、標的の魔物を討伐すること。討伐までの速さと安全性によって成績が決まる。第5班に割り当てられた相手は、中下級の魔物「黒こぶダコ」だった。
一行は標的のいる草原へ走り出すが、ハジンは早々に体力を使い果たして転倒してしまう。前夜に作った運動靴の効果はまだ続いていたものの、本人の基礎体力が追いつかなかったのだ。ホスンは水を差し出し、ハズキも励ましてくれる。しかし、ハジンが最も気にしていたヨンハは、彼を叱ることもなく魔物の情報を確認していた。
ハジンも自分が作った設定を思い出し、黒こぶダコの特徴を把握する。この魔物は本体こそ強くないものの、頭の黒いこぶから大量の子ダコを放出する。子ダコは人間の血を瞬時に吸い尽くす危険な存在で、対処するには子ダコを一掃するか、魔力を生み出す黒いこぶを破壊する必要があった。
ヨンハは自分が子ダコを担当し、ホスンとハズキに本体を任せると告げる。その指示にハジンの名前はなく、彼はようやく自分が完全に戦力外として扱われていることを悟った。
その扱いに腹を立てたハジンは、回復した体力を頼りに立ち上がり、自ら先頭を走り始める。以前の世界にいた頃より速く走れるようにはなっていた。しかし、わずか10秒後にはほかの三人に大きく引き離されてしまう。魔物との戦闘が始まる前から、ハジンの身体能力と仲間たちとの実力差が浮き彫りになったところで、第7話は幕を閉じる。