キューブの第1寮最上階にある広い部屋には、八人の訓練生が集まっていた。彼らの話題に上がったのは、銃を武器に選んだキム・チュンドンだった。
ジン・ハンジュンがその存在について尋ねると、シン・ジョンハクは興味がないと冷たく切り捨てる。ユ・ヨンハも名前を曖昧に覚えている程度で、気にする必要はないという態度を見せた。
特に敵意をむき出しにしたのが、近接戦闘を得意とするキム・ホラクだった。彼は銃を選んだチュンドンを見下し、戦闘訓練で徹底的に打ち負かしてキューブから追い出すつもりでいた。
しかし、ジョンハクは格下の相手に勝っても評価を落とすだけだと制止する。するとヨンハは、ホラクの対戦相手として弓使いのチェ・ナユンを提案した。拳と弓なら有利だという彼女の言葉に、ホラクは強気な態度を崩せなくなる。
ジョンハクが会話を遮ったことで、その話は終わった。ヨンハは、ジョンハクがナユンに好意を寄せていることを知っていた。彼の態度に不快感を覚えながらも、それを嫉妬ではないと自分に言い聞かせる。
やがて男女の交流が認められる午後十時が近づき、ヨンハは明るい笑顔で部屋を後にした。
一方、第1寮から徒歩五分ほどの初心者用トレーニング施設では、キム・スホが汗を流していた。入学初日から自主的に鍛える訓練生は少なく、施設にはほとんど人がいない。
そこへナユンが現れる。彼女の目的は、重力を増加させた環境で魔力を操作する重力訓練室だった。身体に大きな負荷がかかる過酷な訓練だが、ナユンは八歳の頃から自宅の設備で取り組んでいたという。
裕福な家柄に生まれたナユンは、努力によってライバルを超えようとする強い競争心を持っていた。しかし、目の前にいるスホの実力は、そんな彼女の信念を揺るがすほど突出していた。
二人の会話は、同じクラスにいる銃使いのチュンドンへと移る。ナユンは銃の射程には限界があると考え、なぜ彼がその武器を選んだのか理解できずにいた。家庭の事情などで英雄になることを諦め、しばらくキューブに在籍するだけではないかと推測する。
それに対してスホは、簡単に諦めたと決めつけるべきではないと諭した。だが、彼をライバル視するナユンは、その教え諭すような口調に反発する。スホが謝ると、彼女は訓練を続けるよう告げて重力訓練室へ入っていった。
その頃、チュンドンの部屋では、キム・ハジンがノートパソコンの画面に映し出された異常な表示に困惑していた。そこにはチュンドンの能力値や特性に関する情報が並び、同期の進行状況は七十%を示している。現在のポイントは五十四。筋力、持久力、速度、知覚、生命力、魔力に加え、知能や忍耐力、運、魅力まで数値化されていた。
その表示形式は、ハジン自身が作成した設定資料と同じものだった。しかし、表示されている内容には、彼が書いた覚えも考えた覚えもない設定が含まれている。誰が何の目的でこのようなものを送り込んだのか分からず、ハジンは手足を震わせ、激しく動揺する。
その瞬間、パソコンの画面が暗転した。黒い画面に映ったのはチュンドンではなく、ハジン自身の顔だった。直後に画面が再び点灯し、チュンドンとハジンの同期が完了したこと、すべての能力値が初期化されたことが表示される。
そして最後に、ハジンが固有権限「設定干渉」を獲得したと告げられた。自分の知らない設定が現れたうえ、能力値の初期化と新たな権限の獲得まで起こる。ハジンの身に何が起きたのか、その全容が明らかにならないまま第4話は幕を閉じる。