戦闘訓練でキム・ハジンたち第5班が遭遇したのは、海岸付近で暴れる巨大な黒こぶダコだった。背中のこぶから大量の子ダコを放出し、それらを再吸収して体力を回復する厄介な魔物である。
班を率いるユ・ヨンハは、前衛のジン・ホスンとハズキに本体への攻撃を任せ、自らは子ダコを処理する作戦を立てる。しかしハジンは、拳銃なら子ダコを効率よく倒せると判断していた。
戦闘が始まり、黒こぶダコが大量の子ダコを撃ち出すと、ハジンはヨンハの制止を聞かずに拳銃を構える。能力「バレットタイム」を発動した彼の視界では周囲の動きが遅くなり、子ダコの軌道を正確に捉えられるようになった。
ハジンは魔力弾を次々に発射し、空中の子ダコを瞬く間に一掃する。突然敵が消えたことに仲間たちは驚くが、すぐに攻撃を再開。ヨンハは鞭で本体のこぶを破壊し、前衛の二人とともに巨大ダコを追い詰めていく。
途中、地中から飛び出したケラがヨンハを襲う。ハジンは即座に撃ち落としたものの、飛び散った血液と粘液が彼女の服や肌を汚してしまう。清潔さを重んじるヨンハは、助けられたことよりも服を汚されたことに腹を立てた。
それでも戦闘は9分40秒で終了。ヨンハは八本の触手のうち四本を切断し、前衛を支援しながら射手の護衛も果たした。
最終結果は百班中16位。戦闘自体は短時間で終わったが、ハジンの体力不足によって目的地への移動に約50分を費やしたことが響いた。一方、彼が子ダコを一瞬で排除した功績も大きい。
ヨンハは個人評価が重視されるため順位そのものを深刻には受け止めなかったが、チェ・ナユンの班が4位だったことには複雑な感情を抱く。首位はキム・スホの班、2位はシン・ジョンハクの班だった。
その夜、ハジンは訓練室で三時間のトレーニングに励んでいた。戦闘では幸運の効果も働き、攻撃の命中によって能力の熟練度が20%上昇。知覚も向上し、物語ポイントを27獲得していた。さらに筋力、持久力、活力も運動によって成長する。
予想以上の成果を得た反面、身体は激しい疲労に襲われていた。そこでハジンは、キューブから支給された疲労回復飲料の設定を変更する。自分だけを対象に、服用後二時間以内に眠れば八時間かけて身体的疲労が回復するという条件を付け、わずか0.5ポイントで効果を保存。飲料を飲み干し、休息のために部屋へ戻っていく。
同じ頃、ヨンハは訓練映像を見直していた。ハジンはわずか2.78秒で60発を撃ち、59匹の子ダコを仕留めていたのである。異常なほど低い体力、突然の武器変更、そして驚異的な射撃速度。かつての士官学校でも印象に残っていなかった彼に、ヨンハは疑問を深めていく。
そこへジョンハクから連絡が入る。将来ギルドを継ぐ立場として有望な人材を探していると説明するヨンハに、彼も拳銃使いの実力を尋ねた。ヨンハはハジンを934位相応の働きだったと控えめに評するが、その射撃の仕組みには関心を抱き続けていた。
やがて執事が夕食を届ける。ヨンハが注文したのはハンバーガーとポテト、コーラという庶民的な食事だった。しかしジョンハクには、いつもどおりフォアグラを少し頼んだだけだと答える。ハジンの予想外の活躍は、ヨンハだけでなくジョンハクの関心も引き始めていた。