キム・ハジンの矢は巨大な蔓の隙間を曲がりながら進み、標的を射抜いた。魔力を使う矢なら珍しくないが、ハジンの射撃に魔力は使われていない。訓練生たちは目の前で見た軌道に驚き、チェ・ナユンは興奮してポップコーンの袋を握り潰す。ユ・ヨンハは、ハジンが贔屓に腹を立て、今回は手加減しなかったのだろうと笑った。
ハジンは次の距離への挑戦を断り、観客席のナユンと目が合う。胸の鼓動が変わったことに戸惑うナユンは、教師から聞いた言葉を思い出すものの、その可能性を打ち消した。競技はハジンの350メートル成功で終わり、彼が首位記録を得る。モレンをひいきした五つ星魔術師はア・ヘインの反応を恐れていたが、彼女は怒るどころかハジンの才能を称賛し、敗れた甥を昼食に誘うよう促した。英雄を目指しながら身体が発達せず魔術師の道を選んだ彼女は、ハジンの才能を羨んでいた。一方、彼女の容姿を内心で評した魔術師は、考えを察したようなア・ヘインから冷たい魔力と警告を受ける。
日曜午前三時、眠れないレイチェルは、模擬アーティファクト争奪戦でキム・スホに完敗したことや、剣に転向したばかりのナユンとの戦いを思い返す。ハジンがいなければ、自分の新星としての評価も崩れていたかもしれない。彼女はグループチャットでハジンを称賛する会話を読み、彼の歌唱動画を再生する。歌声に落ち着きを取り戻し、やがて眠りについた。
日曜日の最後の競技を終え、クラス対抗戦は閉幕する。総合優勝はベリタス組だったが、非戦闘競技の得点もあり、二位との差は約三十点にとどまった。シン・ジョンハク主催の祝勝会が開かれるなか、ハジンは参加せず、エバンデルと自宅で過ごす。
彼のもとにはジェロニモ傭兵団から見習い向け任務の文書が届いていた。難易度はD、報酬は三億ウォン相当。標的はコライオン・ファミリーのトリノ南部支部長の顧問シーメンスで、文書には殺人、強姦、恐喝、人身売買への関与が記され、「魔人かもしれない」という噂もある。ハジンは、アウトコール後のイタリアではマフィアの結束が強まり、標的は下級一等級の英雄に匹敵する可能性があると考える。狙撃なら愛銃を使えるが、威力を保つには一キロ以内まで近づく必要がある。標的が魔人なら殺害への迷いは小さくなるものの、外の危険に備えきれていないため、任務はすぐには受けない。まず「体質」の作成を始めようとし、「0/3」の表示を確認したところで物語は終わる。