風の山を登っていたキム・スホたち五人の訓練生は、突然の異変に立ち尽くしていた。山は平地へと変わり、キム・ハジンの姿が消える。さらに時間が巻き戻るかのように景色が変化し、太陽まで沈んで辺りは暗闇に包まれた。恐怖に弱いユ・ヨンハは涙目になり、仲間たちは身を寄せ合う。
シン・ジョンハクは、ハジンが貴重な薬草を見つけ、一人で持ち去ったのではないかと推測する。しかし、チェ・ナユンが山の消失や太陽の異変を指摘すると、言葉に詰まった。
やがて草むらから中年男性が現れる。古風な服装の男は、ここが光明の危険区域で、いつ魔力爆発が起きてもおかしくないと説明した。魔力爆発は、アウトコール後の三年間に頻発した現象だという。スホは不審に思いながらも、状況を知るため男についていくことを決める。
一行が着いたのは、建物が崩れ、廃車や鉄柵で築かれたバリケードが並ぶ荒廃した街だった。男はそこを安全な光明市庁舎だと紹介するが、彼らがその日に車で通り過ぎた市庁舎とはまるで違う。スホが日付を尋ねると、男はおそらく1972年だと答えた。五人は自分たちが過去へ来たことを悟り、衝撃を受ける。
入口の警備をしていた青年がナユンの手首をつかみ、スホが制止する。すると周囲から二十人以上の男たちが現れ、一行を取り囲んだ。スホやナユンは魔力を使おうとするが、なぜか発動できない。一方、男たちは鉄棒に魔力を込めて迫ってくる。
絶体絶命の状況で遠方に光が走った。高性能なバイクに乗ったヘルメット姿の人物が現れ、銃撃で包囲を崩す。男たちは「人食いの怪物」が戻ったと叫んで逃げ惑った。街から離れたところで、その人物はヘルメットを脱ぐ。長髪を束ね、無精ひげを生やしていたが、顔は間違いなくキム・ハジンだった。
ハジンだけは仲間より約四十日早く過去へ飛ばされていた。全員が同時に転移すると思っていた彼の予想は外れたのだ。過去の光明では、原作より強力な魔人がこの地を支配しようとしていた。ハジンは市庁舎から離れた森の廃屋を拠点に、敵の動きを監視し、配下を襲って勢力拡大を妨げてきた。食事も戦闘も逃走も一人でこなし、ようやく仲間と再会したのである。
拠点へ向かう途中、ハジンはここがアウトコール発生から十五か月後の1972年だと説明する。滞在期間を冗談で一年と言うと、仲間たちは深刻に受け止めた。五週間ほどだと訂正しても、重苦しい空気は消えない。
森に埋もれた廃屋に着くと、一行は荒れた住環境に驚く。だがハジンがスティグマの魔力で二つの魔法テントを展開すると、ナユンたちは目を輝かせた。食事の準備では、持参した食料がほとんど尽きていたため、ハジンは二日前に狩った豚の肉を取り出す。解体はスホとイ・ヨンハンに任せ、ジョンハクには水くみを頼んだ。反発したジョンハクも、ナユンと一緒に行くよう言われると素直に応じる。
二人を見送ったヨンハは不満げだったが、ハジンがラーメンを作ると言うと表情を変えた。財閥令嬢らしく振る舞う余裕もなく、空腹を隠せない姿が描かれる。ハジンは異変の原因におおよその見当がついていると明かすものの、詳しい説明は拠点に着いてからだとして、転移の仕組みはまだ語られない。