本文へ移動
ノベルエンジン

『小説の中のエキストラ』第68話あらすじ|16年前の避難所事件とジンヒョクの疑念

海峡の精髄のギルド体験に参加したキム・ハジンとユ・ヨンハは、案内役のパク・サンホに連れられて事務室を出る。サンホによれば、ギルドの仕事の多くは屋内で行われる。高位の英雄には複数の事務職員が付き、ダンジョン攻略や中級上位以上の魔物討伐では、出発前に事務室で十分な分析を行うという。 サンホは、魔物に占領された北咸鏡道への定期派遣についても説明する。魔物の増加によ

海峡の精髄のギルド体験に参加したキム・ハジンとユ・ヨンハは、案内役のパク・サンホに連れられて事務室を出る。サンホによれば、ギルドの仕事の多くは屋内で行われる。高位の英雄には複数の事務職員が付き、ダンジョン攻略や中級上位以上の魔物討伐では、出発前に事務室で十分な分析を行うという。

サンホは、魔物に占領された北咸鏡道への定期派遣についても説明する。魔物の増加による大規模な発生を防ぐため、毎月およそ三千人の英雄が交代で四日間の討伐任務に就き、英雄になれば年に二度ほど派遣されるそうだ。案内の途中、ハジンはサンホの机の引き出しにある金庫に目を留める。ヨンハの一族についてサンホが集めた不利な証拠が中にあるはずだ、とハジンは考えた。

一行が分析室を訪れると、中級上位の英雄イ・ジナが二人を迎えた。実技順位九百三十四位のハジンが体験に来たことを皮肉り、理論首席という評価にも懐疑的だ。ジナはダンジョン攻略中に起こり得る変数を計算する資料を渡し、ハジンの実力を試す。ハジンはギフト「観察と読解」を発動し、目の前に示された計算過程と答えを紙に書き写し始めた。

ジナは海峡の精髄の副団長チョン・ホソクが率いる別派閥に属している。ハジンの知る筋書きでは、彼女はやがてヨンハ側に移り、副団長になる重要人物だった。ヨンハとサンホは、遅れて到着した訓練生を迎えるために分析室を出る。ハジンが最後の計算段階を残すところまで進めた時、ジナは用紙を取り上げて作業を打ち切らせた。ハジンは解答を残し、分析室を後にする。

一階では、三人目の訓練生チェ・ナユンが合流していた。ハジンは、来ないと聞いていたのにとヨンハに問いただすが、彼女はとぼける。直後にスマートウォッチへ連絡が届くと、ヨンハは表情をこわばらせ、二人を先に行かせてトイレへ向かった。

その頃、情報仲介人のユ・ジンヒョクは、約一か月かけて調べたハジンの過去から、十六年前の「クァンオ避難所虐殺事件」に行き着いていた。報告書には、クァンオ要塞地域に魔物が押し寄せた際、避難所を守っていた一般市民八十七人と英雄九人が死亡し、臨月の妊婦も犠牲になったと記されている。政府と協会は魔人の犯行と結論づけたが、ジンヒョクはそれが真相ではないと知っていた。

彼が事件の背後にいたと認識しているのは、当時の大統領キム・ソクホ、デヒョン・グループの会長チェ・ジュチョル、そしてヨンハの祖父でもある自分の父ユ・テホだった。ハジンの両親が犠牲者で、母親が報告書に記された妊婦だったのではないか――ジンヒョクはそう考えるが、確かめようのない仮説にすぎない。

ジンヒョクはヨンハに電話し、調査を進めていないとごまかしながら、なぜハジンの両親を調べているのか尋ねる。ヨンハは、ハジンが指名手配犯の一覧を暗記しているため、両親が犯罪に巻き込まれ、本人も調査しているのだろうと推測していた。ジンヒョクは、事件の関係者は指名手配犯ではなく、今も国に大きな影響力を持つ権力者だと考える。デヒョンの実質的な所有者で「不死」と呼ばれるチェ・ジュチョルを恐れた彼は、調査を続ければ危険だと判断し、ヨンハとの通話を切った。

一方、サンホに遅刻の理由を尋ねられたナユンは、久しぶりに祖父のチェ・ジュチョルを訪ねていたと答える。サンホは世界屈指の英雄である祖父の近況を気にかける。戻ってきたヨンハに、ナユンはトイレが長かったと冗談を言うが、ヨンハは鋭い口調で否定し、次の予定を尋ねるのだった。