第59話「王たちの戦争(1)」では、キム・ドクシャが第一使徒と暴君王を衝突させるため、盗作小説の偽の本文を広める計画を進める。各地の王たちが動き始めるなか、ドクシャは固有スキルの新たな段階を経験する。
偽の啓示を利用した計画
第一使徒は『滅亡した世界で生き残る3つの方法』の序盤にあたる第三・第四回帰の情報を独占し、ほかの預言者たちに隠していた。一方、暴君王は預言者の存在を知り、啓示を利用して勢力を広げていた。
ドクシャはこの二者を引き合わせるため、盗作小説『SSSSS級無限回帰者』の偽の本文を作り、各駅へ流布する計画を立てる。イ・ソングクとチョン・ミンソプは原作の知識を使い、ドクシャが提供する隠し要素の情報に虚偽を混ぜて文章を作成する。コン・ピルドゥから借りたノートパソコンで執筆を進め、登場人物の名前も変更することにした。
現実と登場人物の境界
執筆中、ミンソプは、作中人物に「この世界は小説だ」と告げても理解されず、冗談として受け取られると話す。その話を聞いたドクシャは、現実の人間と小説の登場人物を分ける基準に疑問を抱く。
当初は情報を確認できなかったソングクやミンソプも、後には「登場人物一覧」に登録されていた。ドクシャがユ・サンアとイ・ギリョンを確認すると、二人はまだ登録されておらず、彼は安堵する。
啓示の流布と暴君王への誘導
偽の小説が完成すると、ハン・ドンフンがインターネットで啓示流出の噂を広め、通信できない駅には「噂の専門家」の属性を持つカン・イルフンを利用する。
シナリオ終了まで残り40時間となり、ドクシャは忠武路の仲間を招集する。昌信駅を占領できなければ一行が全滅すると告げた。
暴君王は道峰区から勢力を築き、ソウル七王の中でも最大の領土を持つ。旗を奪うか、本拠地の道峰駅を制圧する必要があるが、ドクシャはそこへ直接向かわず、光化門へ行くと宣言する。
その直後、ドンフンが偽の小説を取引所に登録する。全16巻が売れ、ドクシャは1万6,000コインを得た。無料公開するより、販売した方が情報に価値があると思わせられるという狙いだった。
全知的読者の視点、第三段階
休息に入ったドクシャの意識に、固有スキル「全知的読者の視点」の第三段階が発動する。第一段階では人物の行動や感情、第二段階では内面、第三段階では人物の周囲の光景を見たり、その人物に没入したりできるという。
ドクシャは、第三段階の発動には、互いが同時に相手を意識していることが重要だと気づく。
イルフンの視点を通じ、暴君王が購入した啓示の一部を確認し、光化門への出発を命じる場面を目撃する。さらにミンソプの視点から、盗作者がすでに光化門付近に現れていることも知る。第三回帰には有用な隠し要素があるためだった。
永登浦、龍山、城東区の王たちも動き始めていた。事態の拡大こそドクシャの望みであり、第四シナリオの終わりとともに、本格的な王たちの戦争が始まろうとしていた。