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『小説の中のエキストラ』第81話あらすじ|隠された実力と氷の迷宮

月明かりの下を歩きながら、キム・スホは先ほどのハジンとの模擬戦を思い返していた。自分は家族のためにキューブ首席を保てる程度しか力を見せていない。ハジンも同じように実力を隠しているのではないか。隙だらけに見える動きに攻撃を仕掛けても、届くのはかすめる程度で、決定打を与えられなかった。弱さを装ったその動きの正体を、スホはまだつかめずにいる。 風を切る剣の音に気づ

月明かりの下を歩きながら、キム・スホは先ほどのハジンとの模擬戦を思い返していた。自分は家族のためにキューブ首席を保てる程度しか力を見せていない。ハジンも同じように実力を隠しているのではないか。隙だらけに見える動きに攻撃を仕掛けても、届くのはかすめる程度で、決定打を与えられなかった。弱さを装ったその動きの正体を、スホはまだつかめずにいる。

風を切る剣の音に気づいたスホは、寮近くの公園でチェ・ナユンが練習しているのを見つける。突然声をかけられたナユンは驚き、剣を放り投げて寮の窓にぶつけてしまう。彼女は体力づくりだと言い張るが、スホは握り方に力が入りすぎていると指摘し、剣を柔軟に扱う方法を見せた。ナユンは教えを受け入れ、二人の練習は深夜まで続いた。

帰室したナユンはハヅキに連絡し、彼女を副リーダーとする五人チームをまとめる。戦士二人、支援役、射手、魔法使いをそろえ、ナユン自身も戦士と射手の両方を担える構成だった。ハヅキはハジンが加わらなかったことを惜しむ。ナユンも、レイチェルのチームはハジン抜きでは戦力の釣り合いが悪いと分かっていた。誘うのが遅れた後悔に、中間試験でレイチェルに負けた記憶まで重なり、また敗れるのではないかという不安から寝つけない。

気を紛らわせようと、ナユンは仮想現実の対戦ゲームを始める。九十八勝十七敗の彼女は、四十三勝四十三敗の相手に挑むが、攻めをしのげず三分で敗北した。一方、相手側にいたのはハジンだった。彼は新たなギフト「ランダム統合システム」でゲーム用ヘルメットを強化し、装備の概念を一〜四十四パーセントの範囲で高める効果を得ていた。このときの上昇率は三十七パーセントで、思考や感覚の速度も大きく増す。ハジンは未順位戦で七連勝し、何度も届く再戦の誘いを断ってログアウトした。

その後、ハジンはケーキを半分も食べていたエバンデルをたしなめ、残りをしまう。翌日また食べられると約束すると、彼女は納得して眠りについた。続いてスホから、八月第二週の金曜日に会おうという連絡が届いているのに気づく。模擬戦でスホを吹き飛ばしたのは、ハジンが改造した訓練用ジャケットに仕込んだ、一度だけ相手を弾き飛ばす罠だった。

水曜日、チーム結成後初の戦闘訓練「ダンジョン調査」が始まり、レイチェルたちは氷の迷宮へ入る。トマーは分岐で罠のある道へ誘導しようとするが、ハジンは仕掛けを見抜いて別の道を選んだ。その後も同じような提案を退け、レイチェルが罠へ進まないよう手首をつかんで進む。千里眼で最短経路を見つけた一行は、危険に遭わず出口へ到着した。

レイチェルはイエティ、スノービースト、ホワイトカラミティ、ホワイトドレイクを確認したと報告し、出現した魔物の等級から、ボスは少なくとも中級三等級だと推定する。教官はチームに満点を与え、レイチェルたちは喜ぶ。一方、思惑をすべて阻まれたトマーは、苛立ちを隠せず石を蹴った。