筆記試験まで一週間となり、キム・ハジンには対策資料やノートを求める連絡が相次いだ。以前は彼を不良扱いしていた生徒たちの依頼は断ったが、レイチェルが計算問題の助けを求めると、ハジンは黙って解き始めた。
試験四日前、ユ・ヨンハは七人の訓練生について約二百ページの人材評価報告書をまとめていた。ハジンとキム・スホを最高評価とし、ハジンは能力を隠しているものの訓練生の水準を超えると分析する。報告書はヨンハが後継者を務めるギルド「海峡の精髄」の機密資料として、指導者ユ・ジヌンへ届けられる予定だった。ヨンハは最強の英雄になることより、英雄の資格と人脈を得て韓国で自分の基盤を築くことを目指している。ユ・ジンヒョクからはまだ返信がなかった。
筆記試験三日前、カメレオン旅団のボスは、ジェインの変装で生徒ソ・イジンになりすまして教室へ入る。友人に頭を叩かれたり抱きつかれたりして戸惑う彼女は、やがてキム・ハジンを目にする。観察と読解で正体を見抜いたハジンは、ボスがキム・スホを見に来たのではないかと考えた。生徒が彼女の頬をつまむと、ボスは拳を握る。危険を感じたハジンは大声で叱り、周囲を勉強に戻らせた。試験期間中も彼はソ・イジンに話しかけ、彼女は不自然な愛嬌を見せてアイスを買ってくる。筆記試験は大きな騒ぎなく終わった。
週末の後、千三百人の一年生は実技試験のため釜山の港へ集まる。監視ドローンが飛ぶ島で五日間を生き延びる試験だ。魔物を倒せば一〜十点、支給食料は半日分だけ。生徒同士の点数売買や奪取も認められるが、互いに戦えるのは開始十二時間後から。相手を脱落させればその人の全得点に五点が加わる。監督官の名札は二百点、試験用の腕時計を奪われれば失格となる。
ハジンは荷物検査で食料、テント、調理道具を見せるが、エバンデルの種は見つからなかった。十人組の船にはレイチェルもいた。ハジンは危険を案じて一緒に行動しようと誘うが、彼女は単独行動を選ぶ。彼は念のため位置情報を共有した。
島へ着くと、ハジンはポイントを使って監視ドローンのサーバーに入り、六十画面で島内を見渡す。目を留めたのは留年生五人の集団だった。元の筋書きでは二人だけがジンだったが、この世界では全員がそうかもしれないと疑う。生徒同士の戦闘が始まるまでには時間がある。ハジンはまず野営場所を探すことにした。