キム・ハジンとキム・ホラクの決闘は約八分で終わった。結果は予想どおりでも、戦いの内容に観客は静まり返る。観戦していたオ・ジュンヒョクとソ・ヨンジは、銃弾を浴びたホラクとハジンの戦いぶりを振り返った。急所を防具で守っていたホラクは、上級ポーションを飲み、筋肉に力を入れて体内の弾丸を押し出す。
ヨンジは、ホラクが実力を誇示しようと無謀になったと見る。ハジンは反応速度、動体視力、射撃速度で優れていたが、後半には動きが鈍っていた。最後に腹部を撃とうとして弾が出ず、ポケットを探しても弾薬を取り出せなかったことから、弾切れだったと分かる。片腕しか使えないホラクを倒し切れず、接近戦にも入らなかったため、ヨンジはハジンが勝ち切れなかったと判断した。
一方、ヨンジには、ハジンが一発の弾丸でホラクの気功強化を二度破った理由が気がかりだった。彼女は弾丸にまとわりつく魔力を見ていた。薄くまとわせた魔力を、防御を砕けるほど高密度に圧縮する技術は候補生には難しい。道具による不正か、未知のギフトによるものかを調べるという。ホラクは勝ったものの、銃使いに翻弄されたことで評価を落としかねない。対してハジンはギルド関係者の注目を集め、彼らは早くも各所へ連絡していた。
ハジンは自分の指名権を使い、順位300~400位台の男子候補生二人とも戦った。ホラク戦で聖痕の魔力を消耗し、一日一回のバレットタイムも使えない状態だった。剣士たちは長い剣で銃弾を防ぎ、慎重に距離を詰める。最初の相手には、地面に撃った弾が跳ね返って脇の下に当たり、痛みに剣を落とした相手が降参した。二人目との三十分に及ぶ戦いも、引き分け直前、銃弾を防ぎ続けて汗だくになった相手が自分の汗の水たまりで滑り、勝負が決まる。こうしてハジンは二勝一敗となり、近接戦闘型との対戦で得られる加点もあって、総合成績への不安を和らげた。
夜、自室で休むハジンは、戦闘試験に来ていたカメレオン旅団のボスと、強さを追い求める危険な男を思い出す。本来の物語なら、その男はキム・スホとシン・ジョンハクの素質を認め、将来戦う約束をして去るはずだった。しかし今のキューブには、すぐに戦いたい相手が大勢いる。自分にはどうにもできないと考えたハジンの目は、パク・スヒョクから最初の投資への礼として贈られた、小型カメラ付きドローンに向かった。
同じ頃、キューブの人工林では、大柄なスーツ姿の男が仲間と通信していた。男はハジンの遠距離攻撃を気に入らず、スホとジョンハクとは成長を待ってから戦いたいと語る。ボスがハジンに関心を持つ理由を探る任務を負っていたが、戦闘衝動を抑えきれない。立入禁止区域を巡回していた警官に声をかけられると、男は空気を殴って生じた衝撃波で警官を殺害し、仲間に口止めを頼んだ。
その後、警官たちが遺体を見つけた声を聞き、男は笑みを浮かべて歩き続ける。頭上の羽音を蚊だと思って気に留めなかったが、そこには小型ドローンが浮かんでいた。ドローンは男の姿を見届けると、静かに飛び去った。